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夏目漱石「こころ」に見える権力のハナシ(1)

 

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本日もご訪問ありがとうございますm(_ _)m

最近になって五月病がやっと治りましたミツムジです

 

 

今回の記事は、部屋に放置されたまま干からびたミカンぐらいカタめのお話なので、苦手な方はスルーしてくださいませ

 

 

 

 

夏目漱石「こころ」

最近になってまた読みました

 

本当に良い本って、年を重ねてから読むと違った印象になるので不思議ですね

 

改めて読んでみると、ホゲホゲしながら読んでた頃に比べてドロドロした恋模様が濃く感じました

 

 

・・・で、今日の本題です

「こころ」ってよくよく観察しながら読むと、漱石の「権力」に対する考え方がけっこう現われてたりします

それで今日は、その権力観について掘り下げてみたいなあと思ってるわけなんです

 

 

かなり堅苦しい話になるので、それでもいいという方だけ、ここから先を読んで下さいまし

 

 

権力論あれこれ

「権力」=?

そもそも権力って、なんなんですかね・・・?

 

岩波から出てる広辞苑にはこう書いてあります↓

 

他人をおさえつけ支配する力。支配者が被支配者に加える強制力

(広辞苑 第六版 岩波書店)

 

次、小学館の日本国語大辞典には↓

 

  • 他人を強制し服従させる力。権勢。権柄。
  • 法律でいう他への強制力。特に、国家や政府の有する政治的権力

(小学館 精選版 日本国語大辞典 2006)

  

って説明されてます

 

辞書ではそんな風に定義されてますけど、「へ~、そうなんだあ」って感じですよね

 

 

う~ん、でももうちょっと詳しく知りたいなあ、と思って調べてみたら、とってもわかりやすく説明して下さっているサイト様を見つけました!↓

公務員試験・政治学基礎講座2013の講義案(メモ) その1 権力 - NAVER まとめ

 

 

ちょっと引用させて頂きますね

 

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(図の参照元:公務員試験・政治学基礎講座2013の講義案(メモ) その1 権力 - NAVER まとめ

 

この図に対して、記事の執筆者、masayuki_tsujiさんが解説して下さっています

 

支配という関係のなかに「支配者」と「被支配者」がいたとして、その支配者が被支配者に対してふるう「強制力」を、とりあえず、権力と呼ぶことにします。

で、支配という関係を文字通り「正統化(正当化)」する「正統性(正統性)」というのがあって、これが強固だと、権力は安定する。

と同時に、権力者は「権威」というものを持っていて、やっぱりこれもしっかりしたものだと、権力は安定するし、これが薄いとか弱いとかだと、権力は安定しない。最悪革命が起きて権力者はその地位を追われる。という感じです。

(引用元:公務員試験・政治学基礎講座2013の講義案(メモ) その1 権力 - NAVER まとめ

 

ふむふむ、支配っていう関係の中に「支配者(支配する側)」と「被支配者(支配される側)」がいたときに、その支配者が被支配者に対してふるう「強制力」があって、これがイコール「権力」

 

そんでもって支配という関係を「正当化」する「正当性」「権威」がなきゃ権力が安定しないってことですね

 

なるほろ~、勉強になります(● ̄▽ ̄●;)

 

 

でもそれじゃあ、権力の本質が「強制力」っていうのはわかったけんども、その「強制力」って誰がどうやって持つんだべさ?って思ってたら、これもtsujiさんが解説して下さってました

 

 

 

2つの概念

以下引用です

 

2つの考えかたがあるんですよね。

1つは、権力の源があるというもの。何か持っているから権力がある、っていうもの。これを「権力の実体概念」といいます。

~中略~

もう1つは、権力は人間関係で決まるというもの。これを「権力の関係概念」といいます。

~中略~

どちらかというと「実体概念」のほうが、割と古典的な考えです。「関係概念」は、社会の中身が多様化したなかで生まれてきた、比較的現代的な研究のなかで生まれてきた考え方です。

(図の参照元:公務員試験・政治学基礎講座2013の講義案(メモ) その1 権力 - NAVER まとめ

 

む、難しい・・・

 

 

とりあえずまとめると、

「権力の実体概念」

これは権力の実体としての源があるっていうふうに考えて、源となるような何かを持ってるからこそ、その人に権力があるんだと考えるやつ

 

で、もう一つの

「権力の関係概念」

これは権力が人間関係において決まるって考えるやつ

 

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

・・・むむ、

 

 

むむむ

 

 

 

 

(どういうことですか・・・?)

 

 

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わからなかったのでもうちょっと調べてみました

 

 

なんか図にするとこんな感じになるみたいです↓

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2つの概念については、tsujiさんがまた詳しく解説して下さっているので、引用させていただきます

引用ばっかりですみません・・・

 

 

「権力の実体概念」

まずは権力の実体概念の方から、

 

実体概念を唱えた人物としてよく出てくるのが、マキャヴェリ、マルクス、そしてラズウェルです。

マキャヴェリとマルクスについては別のところでしっかりみていきますが、マキャヴェリは「物理的な力=暴力・武力」、マルクスは「富」を権力の源泉であると考えています。軍事力を持つ者、お金を持つ者、それらが権力者、というのはわかりやすいですね。

一方、20世紀の政治学者ラズウェルは、権力の源泉を心理的なもので考えました。つまり「何かを剥奪する能力」が権力の源、というのですね。

(引用元:公務員試験・政治学基礎講座2013の講義案(メモ) その1 権力 - NAVER まとめ

 

マキャヴェリ

まずマキャヴェリさんってどなた?という方、この写真をご覧ください

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(参照:『狐の頭脳と、獅子の力を持った者が成功する。』ニッコロ・マキャヴェッリ | レスノバエ!

 

 

とっても穏やかなご尊顔です

 

 

・・・が、

このお方、けっこう思想的には冷たかったりします

 

 

マキャヴェリが書いた有名な本で、『君主論』っていうのがあります

 

君主論 (まんがで読破)

君主論 (まんがで読破)

 

 

 

その中で世の中を統治する君主がどうあるべきかーー、うんぬんを論じてるのですが、どんな感じかというと、、、

 

君主は人の道と獣の道を使い分け、獣の中では狐とライオンに習って、策略のわなを見抜く狐のずる賢さと、相手を震え上がらせるライオンの威圧的な力を持たねばならない。

(引用元:濱井修監修・小寺聡編(2010)『改訂版 倫理用語集』山川出版社.)

 

要するに「したたかにやりやがれ」ってことですね

 

 

いわゆる権謀術数ってやつですが、なんだか今の政治を垣間見てるようで怖いです・・・(´・ω・`)

 

 

マルクス

お次、マルクスさん

 

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(参照:カール・マルクス - Wikipedia

 

ドイツの社会思想家

資本主義社会についての研究を『資本論』という本に書きました

 

「資本主義は共産主義社会に発展すべきだ!」と主張したことでも有名です

 

 

さっき調べて初めて知ったのですが、映画化もされてるみたいですよ~↓

filmarks.com

 

 

 

三人目、ラズウェルさんですが、この方はまたあとで詳しくご紹介しますね☆

 

 

とりあえず、tsujiさんが説明して下さった権力の源について図にまとめると、こんな感じになると思います

 

実体概念の権力説

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実体概念の権力説を唱えたのがマキャヴェリマルクスラズウェル

 

 

権力の源泉・・・?

まず「君主論」で有名なマキャヴェリは、権力の源泉を物理的な力、暴力や武力だって言ってます

権力は、軍事力とか警察権力とかの暴力の集中によってもたらされる・・・

これがマキャヴェリの考え方です

 

なんかシンプルに恐ろしいですね( ̄_ ̄|||)

 

 

 

次、ドイツの社会主義者マルクスですが、この人は、権力の源泉をだと考えました

富とか生産手段の所有が権力の基盤になるっていうのがマルクスの考え方です

 

世の社長さんたちを見てると、なんか納得がいくなあって思います

 

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・・・で、次のラズウェルがかなり特殊みたいで、、、

 

この人は権力の源泉を「何かを剥奪する能力」だって言ってるみたいですね

もう少し詳しく見ていきましょう

 

 

ラズウェルの権力観

まずラズウェルのプロフィールから

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(参照:マインドコントロール理論とマスメデイアで使用される技術①: 銀河系宇宙人のブログ

 

ハロルド・ドワイト・ラスウェル(Harold Dwight Lasswell、1902年2月13日 - 1978年12月18日)は、アメリカ合衆国の政治学者。20世紀の中葉におけるシカゴ学派の重鎮で、行動論主義の創始者。政治コミュニケーションの研究で知られる。主にイェール大学で教鞭を執った。ハロルド・ラズウェルとも表記される。

(引用元:ハロルド・ラスウェル - Wikipedia

 

ラズウェルは『権力と人間』っていう著書の中で、権力関係は誰かが他の人間の価値を剥奪する能力を持っている時に生まれると説明してます

 

それじゃあ、その「他の人間の価値」ってなあに?って感じですが、ラズウェルは具体的に8つの「基底価値」を挙げてます

 

その8つが、

  • 権力(政治的地位)
  • 尊敬
  • 道徳
  • 愛情
  • 健康
  • 技能
  • 知能

 

でもって、これを追求するのが「政治的人間」だと、ラズウェルは言ってます

 

 

・・・またなんかややこしい単語が出てきましたね

正直もうお腹いっぱいだぜって感じなのですが、説明しますね

 

 

ラズウェルは「政治的人間」のことを、心理的な傷をカバーするために、無限に権力を追求するタイプの人間だっていう風に定義しています

 

 

これを聞いて思い浮かんだのがまずヒトラー

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(参照:ヒトラーとはどんな人物だったのか?狂気の独裁者が残した逸話と予言

 

幼少期は家庭内の不和で不遇だったと言われています 

 

 

あとスターリンもそうですよね・・・

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(参照:ヨシフ・スターリン - Wikipedia

 

この人も両親から虐待されてました

親から虐待されていた独裁者たち――ヒトラー、スターリン……

 

 

 

二人の独裁者が歴史に残した負の遺産はあまりに大きいですけれど、心理的な傷をカバーするために行動してたんだとすれば、悲しいお話です・・・

 

同情はできませんが、なにせ幼少期の環境は自分の意志では選べないので、なにか彼らの心の傷を癒す運命はなかったのかなあと、タラレバながら思ってしまいます

 

 

 

話を戻しますと、権力についてラズウェルが言っていることを図にしたら、多分こんな感じになりますよね↓

 

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ラズウェルによれば、人は、社会のなかで争いあって奪いあう対象になっている「価値」、要するに

 

  • 権力(政治的地位)
  • 尊敬
  • 道徳
  • 愛情
  • 健康
  • 技能
  • 知能

 

の8つを持った時に、他人にこれを与えたり、剥奪したりしながら、価値を追い求めるけど、この時に生まれる人間の、ほかの人間に対するコントロールの現象を「勢力」と呼ぶことができるんだそう

 

その勢力、ほかの人間に対するコントロールのなかでも、重大な価値の剥奪を伴うようなものを「権力」と呼んでるらしいです

 

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頭がこんがらがってきました・・・

 

 

権力の剥奪について

とりあえず権力の剥奪についてですが、ラズウェルはこんな感じで例を挙げてるみたいです↓

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権力の剥奪=免官、尊敬の剥奪=社会の階級的特権の喪失・・・って感じに対応してると思ってくださいませ

 

 

・・・まだ本題にも入ってませんが、ちょっと長くなる(&脳みそが疲れた)のでここらへんで一回切りたいと思います(>_<。)

 

次回は「権力の関係概念」の説明から入るのでよろしくお願いします!

 

 

本日も最後までお読み頂き、ありがとうございました(*´∨`*)

 

<引用元・参考文献と参考URL>